ダウンタウンの松本人志氏をめぐる性加害疑惑と、週刊文春を相手取った訴訟の取り下げは、日本の芸能界を大きく揺るがした。週刊文春は2023年末から2024年にかけて、松本氏による女性への性的行為に関する記事を掲載。松本氏は名誉を傷つけられたとして、発行元の文藝春秋と編集長に対し、5億5000万円の慰謝料の支払いなどを求めて訴訟を起こし、2024年1月から芸能活動を休止した。
裁判で週刊文春側は全面的に争う姿勢を示していたが、2024年11月8日、松本氏側が訴えを取り下げる方針であることが明らかになった。松本氏は訴えの取り下げにあたり、これまで文春側が求めていた女性側への謝罪も行った。報道によれば、飲み会の主催者側は女性たちのスマホを取り上げており、証拠を残す機会までも奪われていた状態だったとされている。
松本氏サイドからリリースされた文章については、謝罪文と言えるレベルではないとの批判も出た。「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認」といった表現は、まるで潔白が証明されたかのような言い回しであり、「裁判終結」という表現から「和解が成立した」と誤解する人も多かったと指摘されている。
松本氏自身は地上波への復帰が叶わない中、2025年11月1日には有料配信サービス「ダウンタウンプラス」をスタートさせ、登録者数が50万人を突破した。一方で、被害者女性の中には「証言台に立ってもいい」と公言していた人もいた中、真相解明がウヤムヤになったまま、なし崩し的に復活を目論んでいるとの見方もある。お笑い番組制作関係者からは、コンテンツの質や量を疑問視する声も出ている。
この問題は、芸能界における性暴力への対応や、権力を持つ者と被害者の非対称性について、日本社会に大きな問いを投げかけた。松本氏の地上波復帰の行方は、今も多くの人々の関心を集めている。