旧ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による、所属タレントへの性加害問題は、日本の芸能界を揺るがした最大級のスキャンダルとなった。発端は2023年3月に英BBCが放送したドキュメンタリーで、被害を訴える元所属タレントの証言が世界に発信されたことだった。
実は週刊文春は1999年からこの問題を14週にわたり報じ続け、2004年には最高裁で文春側の実質勝訴が確定していた。しかし当時、大手メディアやテレビ局は沈黙し、問題は長く「なかったこと」にされていた。BBC報道を機に外部専門家による特別チームの調査が行われ、「性加害があった」と認定。事務所は社名を変更し、被害補償に特化したSMILE-UP.を設立した。
SMILE-UP.によると、2026年9月末時点で被害申告者は1048人に上り、うち581人に補償金が支払われた。一方、在籍や被害が確認できなかった231人は補償対象外とされ、不服とする申告者による訴訟も国内外で複数起きている。2026年9月には東京地裁が申告男性の賠償請求を棄却する判決を出し、補償の線引きをめぐる議論は今も続いている。