旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)の性加害問題をめぐり、元ジャニーズJr.と主張する男性が、故ジャニー喜多川氏からの性被害への対応放置を理由に900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は2026年9月24日、性加害を示す証拠はないとして請求を棄却した。

原告の男性は、故ジャニー喜多川氏から性被害を受けたにもかかわらず、事務所側が適切な対応を取らなかったとして、SMILE-UP.に損害賠償を求めていた。これに対し裁判所は、性加害の存在を示す証拠は認められないと判断し、原告の請求を退けた。裁判では、被害の具体的な立証が争点となったとみられる。

判決を受け、SMILE-UP.は「当社の主張が裁判所に受け入れられた」とコメントした。性加害問題をめぐる一連の訴訟の中で、企業側の主張が認められた形となり、今後の同種訴訟への影響が注目されている。

旧ジャニーズ事務所の性加害問題は、2023年に表面化して以降、SMILE-UP.が被害者への補償業務を進めてきた。補償の対象や金額をめぐっては、元タレントらとの間で意見の対立も生じており、裁判に発展するケースも少なくない。故ジャニー喜多川氏は2019年に亡くなっており、本人からの直接の証言が得られないことも、立証の難しさにつながっている。

性加害問題をめぐる訴訟では、被害の立証が最大のハードルとなっている。時間が経過した事案では証拠の確保が難しく、被害者の証言の信用性が争点となるケースが多い。今回の判決も、その難しさを改めて示すものとなった。

今回の棄却判決は、証拠の有無が訴訟の帰趨を分けることを改めて示した。一方で、被害を訴える側にとっては立証のハードルの高さを物語る結果でもある。性加害問題をめぐる法的争いは今後も続くとみられ、補償制度と司法判断の関係が引き続き問われている。

補償をめぐる法的争いは今後も続くとみられ、司法の判断の積み重ねが注目される。