英BBCは2023年3月7日、ドキュメンタリー番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop」をBBC Twoで放送し、ジャニー喜多川氏による所属タレントへの長年の性加害を告発した。番組では元ジャニーズJr.の男性らが実名で被害を証言。日本では長年タブー視されてきた問題が、海外メディアの報道によって一気に表面化した。

報道を受け、2023年4月には元Jr.の岡本カウアン氏が日本外国特派員協会で記者会見し被害を訴えた。5月14日には当時の藤島ジュリー景子社長が動画で謝罪。8月29日には外部専門家による再発防止特別チーム(林眞琴座長)が調査報告書を公表し、ジャニー氏による性加害の事実を認定、ジュリー氏の辞任などを提言した。9月7日の記者会見では新社長に就任した東山紀之氏が性加害の事実を認めて謝罪した。

10月2日の会見では社名を「SMILE-UP.」に変更し、タレントのマネジメント業務は新会社「STARTO ENTERTAINMENT」に移管することが発表された。被害者への補償業務も開始され、申告者は1000人を超えた。日本の大手メディアが長年この問題を報じてこなかったことへの批判も高まり、メディアと芸能事務所の癒着構造が問われるきっかけとなった。海外メディアの報道が日本の巨大芸能事務所を動かした一件として、報道史に残る出来事となった。

BBCの報道をきっかけに、2023年7月には国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が来日し、ジャニーズ問題について調査。日本の芸能界における人権侵害への対応の遅れを指摘した。日本政府も関係省庁による連絡会議を設置するなど、対応を迫られた。海外メディアの告発が日本の巨大芸能事務所とメディアの沈黙を動かした一件は、ジャーナリズムの役割をめぐる議論にも一石を投じた。

BBCの報道は世界各国のメディアでも取り上げられ、日本の芸能界の問題が国際的な関心事となった。ドキュメンタリーは高い評価を受け、報道が権力の沈黙を打ち破る力を持つことを示した。