旧ジャニーズ事務所の性加害問題をめぐり、新たな加害者の告白が明らかになった。朝日新聞デジタルが2026年9月7日に報じたところによると、同事務所の元スタッフである50代の男性が取材に応じ、1995年ごろから2000年ごろにかけて在籍していた当時、ジャニー喜多川氏とは別に、自らも所属タレントらへの性加害を繰り返していたと証言した。男性は被害者の数を「8人ほど」と語り、行為を「コミュニケーションのひとつととらえていた」、金銭を渡したこともあったと説明したという。

関係者によると、この男性はSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)が2023年時点で確認していた加害スタッフ2人のうちの1人とみられる。同社は男性がその人物に当たるかどうかについて「回答を控える」としている。2023年8月に再発防止特別チームがジャニー氏による性加害の事実を認定して以降、被害の申告は相次ぎ、2026年8月31日時点で申告者は1046人、支払い済みは577人に上る。それでも新たな加害の告白が出てくる現実に、補償の枠組みが被害の全体像を捉えきれていないのではないかという疑問の声も上がっている。

ネット上では「8人『ほど』とはいったい何人なのか」「加害者側の記憶が曖昧なこと自体が被害の深刻さを物語っている」といった厳しい反応が相次いだ。一方で、男性が実名ではないもの実在の人物としてメディアの取材に応じたこと自体は、長年封印されてきた実態の解明につながると評価する声もある。性加害をめぐっては、時効や証拠の問題から逮捕などの事件化には至っていないケースが大半で、刑事責任の追及が進まない現状への批判も根強い。SMILE-UP.は補償業務の継続を表明しているが、被害者の心の傷が癒えるまでにはほど遠い状況が続いている。

補償業務を担うSMILE-UP.は、申告者一人ひとりと向き合う姿勢を示しているが、被害者側からは「金額の算定根拠が不透明だ」との声も上がっている。刑事事件としての立件は時効などの壁が高く、被害者団体は民事補償の拡充と再発防止策の徹底を求めている。喜多川氏の死後に表面化した問題は、日本の芸能界における権力構造のひずみを改めて浮き彫りにした。