元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルをめぐる一連の問題で、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)は2025年3月31日、調査報告書を公表した。報告書は、被害女性が「中居氏による性暴力による被害を受けた」と認定。2023年6月2日に被害女性が中居氏のマンションの部屋に入り、被害に遭ったとした。中居氏と被害女性本人からのヒアリングはできなかったものの、関係者の証言やメッセージのやり取りなどに基づき事実認定を行った。
問題の発端は2024年12月の週刊文春の報道だった。フジテレビは当初「社員は一切関与していない」との見解を示したが、2025年1月9日に中居氏がトラブルがあったことを認めて謝罪。1月17日に港浩一社長(当時)が記者会見を開いたものの「説明責任を果たしていない」と批判を浴び、スポンサーのCM差し止めが一気に広がった。1月23日には中居氏が芸能活動からの引退を発表。同日、フジとフジ・メディアHDは日本弁護士連合会のガイドラインに基づく第三者委員会の設置を決めた。
1月27日の記者会見では嘉納修治会長と港社長の辞任が表明され、フジ・メディアHD専務の清水賢治氏がフジテレビ社長に就任。会見は10時間23分に及んだ。3月27日には日枝久取締役相談役の退任を含む人事刷新案も発表された。報告書では、フジがトラブルを把握した後も女性のプライバシー保護を理由にコンプライアンス部門と情報を共有せず、中居氏に正式な聞き取りをしないまま1年半にわたって番組に出演させていたことも明らかになった。
さらに、フジテレビの編成幹部が中居氏ら大物タレントに取り入る目的で女性アナウンサーを接待に同席させる「女子アナ上納接待」を常態化させていたとの疑惑も報じられ、テレビ業界全体の体質が問われる事態となった。米投資ファンドのダルトン・インベストメンツもガバナンス改革を求める書簡を送付。日本テレビ、テレビ朝日、TBSなど各局も社内調査の公表に追われ、日本の民放全体を揺るがす歴史的なスキャンダルとなった。