中居正広氏をめぐる女性トラブルについて、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は、中居氏側の反論に対しWHOの定義に基づく「性暴力」の事実認定は適切だったとの見解を示した。中居氏は2025年1月に芸能活動からの引退を表明。フジテレビはスポンサー離れと経営陣刷新に見舞われた。

問題が公になったのは2024年12月末の週刊誌報道がきっかけだ。年明け以降、スポンサー企業のCM差し止めが相次ぎ、1月17日にはテレビカメラを締め出した「閉鎖的な記者会見」が開かれた。1月23日に中居氏が芸能活動の引退を声明で発表すると、1月27日にはフジテレビ会長の嘉納修治氏と社長の港浩一氏が引責辞任。3月27日には社長以外の社内取締役が退任した。

3月31日、第三者委員会(委員長・竹内朗氏)は調査報告書を公表。2023年6月2日に起きた中居氏と元フジテレビ女性アナウンサーとのトラブルについて、世界保健機関(WHO)の定義に基づき「性暴力」と認定し、中居氏と女性との関係性や権力格差から「業務の延長線上」における性暴力だったと結論づけた。

これに対し中居氏側は5月12日付の文書で反論。「性暴力」という言葉の持つ「凶暴な響き・イメージには何ら留意することなく、漫然と使用した」として中立性・公正性に欠けると指摘し、ヒアリング記録などの証拠開示を求めた。第三者委員会は5月22日に回答文書を公表し、「客観的状況や関係者の供述証拠ないし伝聞証拠に基づいて間接事実を積み上げて事実認定することは調査実務において一般的なこと」として「当委員会の事実認定は適切」との見解を示した。証拠の開示については、調査に協力した関係者の信頼を損ない、委員会の独立性・中立性をも損なう結果になるとして非開示の方針を伝えた。中居氏側はその後も再反論を重ね、議論は長期化した。

第三者委員会への反論書は5月12日付で提出され、委員会は5月22日に回答文書を公表した。中居氏側は5月30日に改めて「再反論」を送り、ヒアリング記録など証拠の開示を6月6日までに求めた。中居氏の知人は「会見は絶対にしない」と本人が断言していたと取材に語っており、本人の言葉で説明がなされる日は来ていない。問題をめぐっては、スポンサー離れからの広告収入の落ち込みなど、フジテレビの経営への影響も長引いた。