元SMAPの中居正広は、フジテレビの女性アナウンサーとのトラブル報道を受けて2025年1月23日に芸能界引退を表明した。国民的アイドルとして30年以上にわたり第一線で活躍してきたタレントの引退は、日本の芸能界に大きな衝撃を与えた。
トラブルが表面化したのは2024年12月の週刊誌報道がきっかけだった。中居正広は2025年1月9日、女性とのトラブルを事実と認めて謝罪コメントを発表したが、会見などで真相を説明しないまま、同月23日に引退を表明した。出演番組の降板や打ち切りが相次ぎ、長年築き上げたキャリアは一瞬で崩れた。中居正広はSMAPの元リーダーとして、2016年のグループ解散後もMCやバラエティ番組で絶大な人気を誇っていた。
その後、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は同年3月31日、調査報告書を公表。中居正広氏による「業務の延長線上における性暴力」を認定し、重大な人権侵害にあたると結論づけた。フジ幹部の「2次加害行為」も指弾され、スポンサー離れや経営陣の総退陣に発展した放送業界全体を揺るがす大スキャンダルとなった。
フジテレビでは1月27日に嘉納修治会長と港浩一社長が引責辞任し、3月には日枝久取締役相談役の退任を含む経営体制の刷新が発表された。第三者委の報告書は、タレントとテレビ局の力関係や、ハラスメントがまん延していた企業風土を厳しく指摘している。
中居正広の引退は、テレビ業界のタレント依存の構造にも一石を投じた。長寿番組の終了や後継番組の模索が進む中、テレビ局はスター不在の時代への対応を迫られている。第三者委の報告書が指摘した企業風土の改革が、どこまで進むのかが問われている。
引退から1年以上が経った今も、この問題の影響は続いている。放送業界全体でのコンプライアンス見直しが進む中、中居正広という巨大な存在の退場が残したものは大きい。テレビと芸能界の関係のあり方が、改めて問われている。