2024年12月、「週刊文春」と「女性セブン」が中居正広と女性とのトラブルを報じた。9000万円の解決金が支払われたとされるこの問題を受け、中居氏は2025年1月9日に動画で謝罪し活動継続の意向を示したが、批判は収まらなかった。各テレビ局がレギュラー番組の終了や差し替えを相次いで発表し、スポンサー企業のCM撤退もドミノ倒しのように広がった。そして1月23日、中居氏は芸能界からの引退を発表した。SMAPの元リーダーという国民的タレントの突然の幕切れに、日本中に衝撃が走った。

問題はフジテレビの企業体質にも飛び火した。同社が設置した第三者委員会(竹内朗委員長)は2025年3月31日に調査報告書を公表し、中居氏による「性暴力」があったと認定。フジテレビの対応について「人権意識が欠如していた」と厳しく批判した。報告書を受け、港浩一社長と嘉納修治会長は1月に辞任し、清水賢治新社長体制が発足。フジテレビは6月、中居氏や当時の経営陣に対する損害賠償請求の方針も明らかにした。

一連の問題は、芸能界とテレビ局の力関係やハラスメント体質という構造的な課題を浮き彫りにし、スポンサー企業の人権デューデリジェンスの在り方にも一石を投じた。被害女性への誹謗中傷も問題となり、報道の在り方をめぐる議論も続いている。テレビ業界全体のコンプライアンス体制の見直しが進む中、中居氏の引退は日本芸能史の転換点として記憶されることになりそうだ。

スポンサー企業のCM撤退は70社以上に上り、フジテレビの広告収入に大きな打撃を与えたとされる。各テレビ局は中居氏の出演番組を終了・差し替えし、ラジオ番組も打ち切りとなった。引退後の中居氏の動向は明らかにされていない。フジテレビは第三者委員会の提言を受けてガバナンス改革を進めているが、視聴者やスポンサーの信頼回復には時間がかかるとみられている。

中居氏の引退表明後、有料ファンクラブを通じたファンへの報告も行われた。長年応援してきたファンの間では、突然の別れを惜しむ声が広がった。