日産自動車とホンダは2024年12月に経営統合に向けた基本合意を結んだが、統合方式などをめぐる意見の隔たりから2025年2月13日に検討終了(破談)を発表した。実現すれば世界有数の自動車連合となるはずだった統合は、白紙に戻った。
両社は2024年12月、持ち株会社方式での経営統合に向けた協議入りを発表した。電動化や知能化への対応で巨額の投資が必要になる中、国内大手2社の統合は業界に大きな衝撃を与えた。しかし、ホンダが日産の完全子会社化を提案したことに対等な統合を求める日産側が反発し、わずか2カ月ほどで交渉は決裂した。
統合は白紙となったものの、両社の戦略的パートナーシップは維持された。電動化・知能化領域での協業は継続され、三菱自動車も加わる形で協議が進められてきた。そして2026年8月31日には、次世代SDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)向けの車載OSやECU(電子制御ユニット)の共同開発契約を締結した。2029年度以降の次世代車への搭載を目指している。
テスラや中国のBYDが先行する車載ソフトの競争で、日本勢の出遅れが指摘される中、両社の協業は生き残りをかけた取り組みとして注目されている。開発負担の重い「頭脳」の部分を共通化し、走りの味付けなどは各社の個性を残すという、割り切った協業の形だ。
SDVの開発競争では、テスラやBYDが先行しており、日本勢の巻き返しが急務となっている。両社の協業が実を結ぶまでには時間がかかるとみられるが、開発負担の分散は大きな意味を持つ。2029年度以降の次世代車の出来栄えが、協業の成否を占う試金石となる。
経営統合という「結婚」には至らなかったものの、技術面での「協業」は着実に進んでいる。両社がそれぞれの強みを生かしながら、次世代車の競争でどこまで巻き返せるのかが問われている。
協業の成果が具体的な車両として結実するか、両社の開発力が試されている。