日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン氏が2018年11月、金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された事件は、世界を驚かせた。有価証券報告書に自身の報酬を約50億円少なく記載した疑いなどで、東京拘置所に長期勾留された。
2019年4月に保釈されたゴーン氏だったが、同年12月末、出国禁止の保釈条件を破って日本を脱出。大型の箱に身を隠して関西空港からプライベートジェットで出国し、レバノンに逃亡した。15億円の保釈金は没収され、日本の司法制度は国際的な批判にさらされた。
ゴーン氏はレバノンで「日本の司法による迫害から逃れた」と主張し、日産に対して10億ドル超の損害賠償を求めて提訴。一方、2026年9月にはフランス・パリの裁判所で贈賄罪などに問われた欠席裁判で、検察が禁錮4年を求刑した。かつて「コストカッター」と呼ばれたカリスマ経営者の逃亡劇は、国際司法のあり方を問う事件として今も続いている。