元アイドルグループ「忍者」の志賀泰伸さんが、旧ジャニーズ事務所のSMILE-UP.を相手取った裁判で、2026年9月に高松地裁で意見陳述を行った。SMILE-UP.による補償制度の「強要」を訴え、3000万円の支払いを求めている。被害者が加害者側とされる企業から逆に訴えられるという構図に、波紋が広がっている。
志賀泰伸さんは意見陳述の中で、SMILE-UP.の補償制度をめぐる対応が不当な圧力だったと主張し、涙ながらに陳述したとされる。補償を求める立場の元タレントが、逆に企業側から訴えられる形になったことで、補償制度のあり方そのものに疑問の声が上がっている。
一方、SMILE-UP.側は「債務は存在しない」として争う姿勢を示している。補償制度は旧ジャニーズ事務所の性加害問題を受けて設けられたもので、2023年9月以降、被害を訴える元タレントらからの申告を受け付け、補償業務を進めてきた。しかし、その運用をめぐっては以前から不満や混乱が指摘され、補償金額や認定基準をめぐる対立も生じていた。
「忍者」は1990年にデビューしたアイドルグループで、「お祭り忍者」のヒットなどで知られる。志賀泰伸さんはそのメンバーとして活動し、グループ解散後も芸能活動を続けていたが、今回の裁判で再び注目を集めることになった。
補償制度をめぐっては、認定基準や金額の妥当性をめぐり、元タレント側とSMILE-UP.側の認識の隔たりが指摘されてきた。今回のように裁判に発展するケースは、制度の限界を示すものとも受け止められている。高松地裁での審理の行方は、他の申告者への対応にも影響を与える可能性がある。
今回の訴訟は、性加害問題の補償をめぐる対立が新たな局面に入ったことを示している。被害者救済を目的とした制度が、かえって当事者間の対立を深める結果になっているとの指摘もあり、高松地裁の判断とともにSMILE-UP.の補償制度の今後が問われている。