大谷翔平選手の元専属通訳・水原一平受刑者は、大谷翔平選手の口座から約1700万ドル(約26億円)を盗用し、違法スポーツ賭博に注ぎ込んだとして、2025年2月に禁錮4年9カ月の判決を受けた。日米を震撼させた事件から1年以上が経った今も、「大谷共犯説」の陰謀論がくすぶり続けている。

水原一平受刑者は、大谷翔平選手の給与口座から資金をだまし取り、違法なブックメーカーへの送金にあてていた。2024年3月に発覚するとドジャースから解雇され、米司法当局に訴追された。裁判では銀行詐欺などの罪が問われ、2025年2月に禁錮4年9カ月と約1700万ドルの返済が言い渡された。同年6月にはペンシルベニア州の連邦刑務所に収監された。

大谷翔平選手は事件発覚直後の会見で「彼にウソをつかれていた」と述べ、関与を強く否定した。米司法当局の捜査でも、大谷翔平選手の関与を示す証拠は確認されていない。それでも、資金規模の大きさや2人の近しい関係から、一部では「大谷共犯説」が根強くささやかれ続けている。メジャーリーグは1919年のブラックソックス事件以来、野球賭博に極めて厳しい姿勢を取ってきただけに、疑惑の目が向けられやすい背景もある。

この陰謀論に対し、事件を熱心に追ってきた米ESPNのジェフ・パッサン記者は2025年8月のポッドキャスト番組で反論した。30ページ以上に及ぶ起訴状や、水原一平受刑者が銀行にかけた電話の音声記録など膨大な証拠を挙げ、「これが全て隠蔽工作だったとするなら、世界史に残る隠蔽事件だ」と述べ、大谷翔平選手の潔白を改めて主張した。

また、水原一平受刑者のスキャンダルを題材にしたドラマが米テレビ局「Starz」で製作中であることも報じられており、脚本は映画「AIR」のアレックス・コンベリー氏、監督は「ワイルド・スピード」のジャスティン・リン氏が務めるという。司法の判断は下ったものの、スーパースターをめぐる疑惑の余波は、なお収まる気配を見せていない。