ダウンタウンの松本人志さんは2024年11月8日、週刊文春の性加害報道をめぐる名誉毀損訴訟の訴えを取り下げ、女性らに「率直にお詫び」するとのコメントを発表した。2023年末の報道から約1年に及んだ法廷闘争は、決着を見ないまま幕を閉じた。

発端は2023年12月27日発売の週刊文春による性加害疑惑の報道だった。複数の女性の証言をもとに、松本人志さんによる性的行為の強要があったと報じられた。松本人志さんは2024年1月8日に芸能活動の休止を発表し、同月22日、発行元の文藝春秋と週刊文春編集長を相手取り、5億5000万円の損害賠償などを求めて提訴。裁判では文春側が全面的に争う姿勢を示していた。

取り下げにあたって松本人志さん側は「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認した」とした上で、「裁判を進めることで多くの方々に負担や迷惑をかけることは避けたい」と説明。「かつて女性らが参加する会合に出席しており、不快な思いをされたり心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」とのコメントを発表した。文春側も「金銭の授受等が一切なかった」として取り下げに同意した。

この取り下げをめぐっては、真相が法廷で明らかにならなかったことへの批判や、謝罪の誠実さを疑問視する声が上がった。一方で、長期化する裁判が関係者に与える負担を考慮した判断との見方もある。吉本興業は松本人志さんの所属を継続し、活動再開の道を模索している。

訴訟の取り下げは、双方にとって長期戦の負担を避ける判断だったとみられる。ただ、核心部分の真相が明らかにならないままの幕引きに、納得しない声も根強い。松本人志さんの今後の活動再開の可否は、世論の動向とともに、スポンサーや放送局の判断に委ねられることになる。

松本人志さんは吉本興業に所属したまま、活動再開の道を模索している。芸能界復帰のハードルは依然として高く、世論の動向やスポンサーの反応を見極めながらの慎重な判断が求められている。日本のお笑い界を代表する存在の去就は、今後も大きな注目を集めそうだ。