牛丼チェーン「すき家」で、2025年1月に把握されていたみそ汁へのネズミの死骸混入が、3月21日になって公表された。発生から公表まで約2カ月を要したことに批判が集まり、ゼンショーホールディングスの株価は1日で7.1%下落。SNSで画像が拡散されると、世論の批判は一気に高まった。

すき家側の説明によれば、ネズミはみそ汁そのものではなく、器に丸まって死んでいたところに、従業員が気づかずにみそ汁を注いで提供してしまったという。店舗は一時閉店し、保健所の指導を受けて2日後に営業を再開していたが、本社ホームページなどで公表はされなかった。同社は後に「不完全な情報を耳にしたお客様にご心配とご迷惑をおかけした」と謝罪したが、今後より積極的に情報を開示する姿勢は示さなかった。

批判の高まりを受け、すき家は国内のほぼ全店舗を清掃のために4日間にわたり一時休業とし、害虫などの侵入経路の根絶が難しいと判断した店舗の改装、ゴミ庫の冷蔵化、定期的な害虫発生状況の確認検査、駆除専門事業者による駆除施工などを実施。さらに売りだった24時間営業を廃止し、4月5日から毎日午前3時から4時までの1時間を清掃業務にあてる運用に切り替えた。店舗従業員への衛生教育として毎月衛生知識テストも実施している。

公表直後の4月には既存店客数が前年同月比84.0%まで落ち込んだが、その後は徐々に回復。9月には同99%と前年並みに、11月には同104.8%と前年同月を上回るまでに回復した。すき家はかつて、従業員のワンオペ(1人勤務)問題でも批判を浴びており、第三者調査報告書には交代要員が出勤できず48時間勤務した実態も記録されていた。異物混入から9カ月で業績がV字回復した背景には、迅速な衛生対策と常連客の回帰があるとみられている。