不正会計問題などに揺れる電子部品大手ニデックは2026年6月18日、京都市で定時株主総会を開き、岸田光哉社長が冒頭で株主に深く謝罪した。問題発覚後初めての総会には約750人の株主が出席し、約4時間にわたって経営陣への厳しい質問が相次いだ。

ニデックでは、計上すべき損失を計上しないなどの不正会計が多数見つかり、2026年3月に外部調査委員会が報告書を公表。創業者の永守重信氏による過度の業績圧力が原因だったと指摘した。純利益への影響額は160億円に上る。その後の社内調査では、取引先による部品設計の無断変更など品質不正の疑いも明らかになった。

総会では株主から「永守氏の会社のイメージから脱却する必要がある」「本人の口から説明してほしい」と、すでに退任した永守氏が総会に出席しなかったことへの批判も相次いだ。岸田社長は「永守氏の会社のイメージから真に脱却できる仕組みやプロセスをどう作れるかが重要なテーマだ」と述べ、組織改革への決意を示した。

ニデックは不正会計問題を受けて東京証券取引所から「特別注意銘柄」に指定されており、経営管理体制の再構築が焦点となっている。創業以来の「前例のない事態」とも言われる同社が、創業者の影響力を断ち切って再生できるかどうかが問われている。

総会では約4時間にわたり、株主から経営責任を問う質問が相次いだ。出席した株主からは「再建の道筋を聞きに来た。永守氏の経営哲学からの完全な脱却が必要だ」「前の会長の話はもうたくさんだ。クリーンな会社になってほしい」といった厳しい声が上がった。岸田社長は会見後の記者会見でも「制度やプロセス、企業文化の改善に全身全霊で取り組む」と述べ、再発防止への決意を繰り返し強調した。不正会計に加えて品質不正の疑いも浮上する中、投資家の信頼回復には時間がかかるとの見方も出ている。