ニデック(旧日本電産)は9月29日、岸田光哉社長が同日付で辞任し、後任に戒田理夫専務が昇格する人事を発表した。会計や品質を巡る不正や、低迷する電気自動車(EV)関連事業などで巨額の減損損失を計上する見込みとなったことを受けた対応だ。減損損失の規模はこれまで2500億円規模としていたが、大幅に上回るとの見方が強まっている。

岸田氏はソニー(現ソニーグループ)から日本電産(現ニデック)に転じ、2024年に社長に就任。創業者の永守重信氏から最高経営責任者(CEO)の職も引き継いだ。ところが2025年、利益の水増しや費用計上の先延ばしなどの不正会計が判明した。永守氏は2025年末に代表取締役を、2026年2月に名誉会長を辞任した。

その後に品質問題も発覚した。同社が設置した調査委員会は2026年9月、家電や自動車向けなどの部品設計や製造工程の変更といった不適切行為844件を認定した。東京証券取引所は不正会計が明らかになった後の2025年10月、内部管理体制の改善を求めてニデックを特別注意銘柄に指定。1年後に内部管理体制を審査し、適切に整備されていないと判断されれば上場廃止となる。

永守氏が一代で築いた世界的モーターメーカーが、創業者の退場と巨額減損という事態に直面している。9月30日に開示が遅れていた決算と減損損失額が公表される予定で、市場の注目が集まっている。