精密モーター大手のニデック(旧日本電産)は2026年9月30日、会計不正や品質不正に伴う約6321億円の減損損失を計上し、2026年3月期に約5646億円の最終赤字に転落したと発表した。日本を代表する製造業の一角が巨額赤字に沈んだことで、市場に大きな衝撃が走っている。

発表によると、会計不正に加え、品質不正が844件に上ることが判明。これらに伴う減損損失の計上で、最終損益は約5646億円の赤字に転落した。監査法人からは「監査意見不表明」が出される異例の事態となり、決算の信頼性そのものが揺らいでいる。品質不正の対象製品や顧客への影響など、開示されていない情報も多い。

ニデックは京都に本社を置く精密小型モーターの世界大手で、創業者の永守重信氏が一代で築き上げた企業として知られる。1973年の創業以来、積極的なM&Aで成長を続け、2023年4月には社名を日本電産からニデックに変更した。永守重信氏のカリスマ経営は「永守流」として注目を集めてきたが、今回の不正発覚でその経営手法やガバナンスにも厳しい目が向けられている。永守重信氏への批判も高まっており、経営責任を問う声が強まっている。

「東芝超え」とも評される巨額赤字に、株主の間では怒りと不安が広がっている。株価への影響も深刻で、企業価値の毀損は避けられない状況だ。

監査法人から監査意見不表明が出るのは極めて異例で、決算の信頼性に深刻な疑問が突きつけられた形だ。会計不正と品質不正の両面での調査が進められており、全容解明には時間がかかるとみられる。取引先や顧客への影響も懸念され、サプライチェーン全体への波及が注目されている。

今後は、不正の徹底的な調査と再発防止策の策定、そして経営体制の刷新が急務となる。日本の製造業の信頼を揺るがす事態に、ニデックがどう再生を図るのか、市場と社会の厳しい視線が注がれている。

巨額赤字からの再生に向け、ニデックの経営陣の手腕が厳しく問われることになる。