トヨタ自動車の子会社ダイハツ工業で、自動車の認証試験における不正がほぼ全車種に拡大していたことが2023年12月に明らかになり、国内外の全車種の出荷停止という異例の事態に発展した。国土交通省は2024年1月16日、ダイハツ「グランマックス」のトラックとOEM供給先のトヨタ「タウンエース」、マツダ「ボンゴ」(いずれもトラック)について型式指定を取り消す方針を固めた。バンタイプは1月19日に出荷停止指示が解除された。

さらに2024年6月3日には、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの計5社からも不正の報告を受けたと国交省が発表した。トヨタは現行生産中の3車種で歩行者保護試験の虚偽データを提出していたほか、過去に生産した4車種では衝突試験に使う試験車両に不正加工を行っていた。国交省は5社に対し不正のあった車種の出荷を停止するよう指示し、立ち入り検査を行った。

ダイハツは2023年12月21日から国交省の立ち入り検査を受け、国内全工場で稼働を停止。2024年1月31日には一部車種の生産再開を発表したものの、開発標準日程の見直しなどの影響で新車開発プロジェクトの大幅な修正を余儀なくされた。同年2月13日にはトヨタ、いすゞ、日野、スズキが出資するCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)からダイハツが脱退(2025年1月に復帰)。5月1日にはトヨタとダイハツにまたがって設置されていた新興国小型車カンパニーが廃止され、ダイハツは委託先に位置付けが変更された。

一連の事態を受け、粗鋼の国内需要も落ち込み、日本鉄鋼連盟は2023年度の粗鋼生産量が前年度比1.1%減だったと発表。自動車産業全体の信頼を揺るがした認証不正問題は、日本の製造業の品質管理体制に根本的な見直しを迫る契機となった。