ダイハツ工業の第三者委員会は2023年12月20日、衝突試験の不正加工など174件に上る認証不正があったとする調査報告書を公表した。不正は1989年ごろから長年にわたって行われていたという。軽自動車の国内トップメーカーによる大規模不正に、国内外に衝撃が走った。
ダイハツは12月21日から国内の全車種の出荷を停止し、工場の稼働も停止した。12月27日には奥平総一郎社長らが記者会見で謝罪し、親会社トヨタ自動車の豊田章男会長も謝罪のコメントを出した。2024年1月には国土交通省が3車種の型式指定を取り消す処分を下した。トヨタ、スバル、マツダへのOEM供給車にも影響が及び、関連メーカーの生産計画にも混乱が広がった。
2024年2月以降、安全性が確認された車種から生産・出荷が順次再開された。トヨタはダイハツの経営体制の見直しを進め、認証業務の抜本的な改革を表明。一連の問題は、自動車業界における認証制度の形骸化と、開発現場への過度なプレッシャーという構造的課題を浮き彫りにした。日本のものづくりへの信頼を揺るがした不祥事として記憶されている。
トヨタはダイハツの認証業務をトヨタ本体が担う体制へと改革し、開発スケジュールの見直しや現場の負担軽減策を打ち出した。国土交通省も型式指定制度の運用見直しを進めている。ダイハツの生産・出荷は2024年内にほぼ正常化したが、失われた信頼の回復には時間がかかるとみられている。認証不正は、効率優先の開発体制が招いた構造的問題として、製造業全体への警鐘となった。
不正の手口には、衝突試験のデータを改ざんする、試験車両に不正な加工を施すといったものが含まれていた。長年にわたって不正が見過ごされてきた背景には、開発現場の過重労働や、上層部への報告体制の不備があったと指摘されている。
ダイハツの不正を受けて、他の自動車メーカーでも自主点検の動きが広がった。国土交通省は抜き打ち検査の強化を表明し、認証制度の信頼回復に向けた取り組みを進めている。