2023年4月28日、ダイハツ工業は海外市場向け4車種の側面衝突試験の認証申請における不正行為を内部通報で確認したと発表した。対象はマレーシアなどで販売する「プロドゥア・アジア」やトヨタブランドの「アギア」「ヤリスATIV」などで、累計販売台数は8万8123台に上った。同年5月19日には、国内向けのハイブリッド車「ロッキー」とトヨタ「ライズ」でも側面衝突試験の手続きに不正が見つかった。
2023年12月20日、同社が設置した第三者委員会(委員長・貝阿弥誠弁護士)は調査結果を公表。新たに25の試験項目で174件の不正が見つかり、対象は当初の6車種から、生産を終了した車種も含めて64車種に拡大した。衝突試験ではタイマーでエアバッグが作動するよう不正な加工をし、排ガス・燃費試験では試験直前に浄化装置の触媒を新品に差し替えるなどの不正があった。最も古い不正は1989年から2000年に発売された「アプローズ」にまでさかのぼり、2014年以降に不正が急増していた。
ダイハツは同日、国内外で販売する全車種の生産・出荷を停止すると発表。国土交通省は12月21日に本社に立ち入り検査に入り、「自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で断じて許されない」と表明した。2024年1月26日には、特に悪質な不正が確認された3車種について道路運送車両法に基づく「型式指定」が取り消された。
調査報告書では、不正の直接の原因として短期間での新車開発を重視する社内風土を挙げ、「強烈なプレッシャーの中で追い込まれた従業員が不正行為に及んだ」と分析。経営陣の責任も強調された。2024年2月13日、問題の責任を取って奥平総一郎社長と松林淳会長が3月1日付で退任することを発表した。
ダイハツはトヨタ自動車の完全子会社で、OEM供給先のマツダ、スバル、スズキなど多くの自動車メーカーや、ダイハツ車を無償レンタルする地方自治体まで巻き込む問題に発展した。その後、軽自動車を中心とした経営への転換や企業文化の改革が進められ、2024年6月25日にすべての車種・エンジンでの対応が完了し、認証不正問題は解決に至ったとされた。