トヨタグループが進める豊田自動織機の株式非公開化をめぐり、買収価格が安すぎるとして海外のアクティビスト投資家などから反発が広がった。トヨタ自動車や豊田不動産などが関わる大型再編は、親子関係にある企業買収の公正さを問う象徴的な案件となった。
豊田自動織機はトヨタグループの源流企業で、フォークリフトで世界首位の事業を持つ一方、トヨタ自動車の株式も保有してきた。グループ側は意思決定の迅速化や資本関係の整理を理由にTOBによる非公開化を打ち出したが、提示価格が保有資産の価値に比べて低いとの批判が出た。
海外投資家は特別委員会の独立性や価格決定の過程にも疑問を呈し、価格の引き上げを求める書簡を公表するなど、異例の公開キャンペーンを展開した。日本企業で広がる親子上場の解消や政策保有株の整理とも重なり、市場の注目度は高まった。
この案件は、創業家やグループ企業が関わる取引で少数株主の利益をどう守るかという、日本のガバナンス改革の核心を突いた。買収の成否だけでなく、価格や手続きの説明責任が、海外マネーを呼び込む条件として厳しく問われている。
親子上場の解消はガバナンス改革の流れとして歓迎される一方、買収する側とされる側の双方にグループ企業が関わる場合、価格の公正さを外部の目でどう担保するかが核心になる。豊田自動織機の案件は、その試金石として海外メディアにも大きく取り上げられた。