トヨタ自動車子会社の日野自動車は、米国でディーゼルエンジンの排ガス認証をめぐる不正について有罪を認め、16億ドルを超える支払いに合意した。米当局によると、長年にわたって虚偽の申請やデータの改ざんが行われ、規制に適合しないエンジンが大量に販売されたという。
日本国内でも2022年、日野はエンジンの排ガスや燃費に関する不正を公表し、国土交通省は対象エンジンの型式指定を取り消した。対象車種の生産や出荷が止まり、いすゞ自動車やトヨタの車両にも影響が及んだ。特別調査委員会は、開発現場での圧力や不正を正せない組織風土を指摘した。
米国では環境当局が対象エンジンの認証を取り消し、リコールや環境対策プロジェクトも求められた。不正は燃費の表示にも関わり、顧客企業からの集団訴訟が複数の国で起こされたが、その後は和解が進んだと発表されている。
日野は三菱ふそうトラック・バスとの経営統合を進めるなど再出発を図っている。商用車の環境性能を偽った代償は巨額の制裁金とブランドの失墜となり、認証制度の信頼を守る重さを示した。
商用車は物流や公共交通を支えるため、環境性能の偽装は利用者だけでなく社会全体の排出量にも影響する。日野の問題は、電動化への移行期にあるトラック業界にとって、認証と開発の現場の関係を見直す契機にもなった。