実業家の前澤友作氏(ZOZO創業者)が、SNS上で自身の名前や写真が使われた詐欺広告をめぐり、フェイスブックなどを運営する米IT大手のメタ社などを訴えた裁判が始まった。前澤氏側は「被害は極めて甚大」と主張している。
SNS上で著名人になりすまし、投資を勧める詐欺広告は大きな社会問題となっている。実際に流れている詐欺広告には、前澤氏の写真とともに「無料投資教室を開きました」という文字があり、前澤氏本人を装って投資話を持ちかけるものだった。前澤氏は「何度も何度も特にFacebookさんにはお伝えして、削除してください、改善してくださいと言ってるけど、一向に減らないどころか、むしろ増えてる現状に憤りを感じる」と怒りをあらわにしていた。その後、メタ社が詐欺広告について「社会全体の脅威だ」などとコメントを発表した際にも、前澤氏は自身のSNSで「おいおい。まずは謝罪の一言は?」「なめてんの?」と不快感を示していた。
そして2024年5月、前澤氏は対応が不十分だとして、損害賠償と広告の差し止めを求めてメタ社などを提訴した。前澤氏は「お金が欲しいわけではなく、メタ社などの行為が違法なのか合法なのか、はっきりさせたい」として、損害賠償の請求額をわずか1円に設定した。2024年7月9日に迎えた第1回口頭弁論で、前澤氏側は「詐欺広告による被害は極めて甚大で、予防と適切な対策が講じられることは、一刻を争う急務」などと主張した。前澤氏の代理人弁護士は「日本国民がバカにされている感覚を感じてしまう」と述べた。一方、メタ社側は争う姿勢を示している。
著名人をかたった詐欺広告の被害は前澤氏だけに留まらず、森永卓郎氏や堀江貴文氏ら多くの著名人の写真が無断で使われている。プラットフォーム運営者の責任を問うこの裁判の行方は、SNS上の広告審査のあり方をめぐる議論にも大きな影響を与えそうだ。