2024年6月8日未明、KADOKAWAの公式サイトと同社グループの動画共有プラットフォーム「ニコニコ動画」が、ロシアとつながりのあるハッカー集団「BlackSuit」によるランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃を受けた。攻撃者はサーバーを再起動してマルウェアを拡散させようとする動きを見せたため、KADOKAWAはサーバーの電源と通信ケーブルを物理的に切断。ニコニコを中心としたサービス群は約2カ月にわたって停止し、8月5日にサービスを再開した。
8月5日付のKADOKAWAの発表によると、外部に漏洩したことが確認された個人情報は合計254,241人に上った。内訳は、ドワンゴとその関係会社の一部取引先(クリエイター、個人事業主含む)の個人情報、同社や関係会社の一部元従業員の個人情報、面接を受けた一部の人の個人情報、N中等部・N高等学校・S高等学校の在校生・卒業生・保護者・出願者らの個人情報、学校法人角川ドワンゴ学園の一部従業員の個人情報など。氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、口座情報などが含まれていた。
6月27日にはハッカー集団がダークウェブ上に声明を発表し、7月1日までに金銭を支払わなければ事業パートナーやユーザーの個人情報など1.5TBの窃取データを公開すると脅迫していた。KADOKAWAの株価は7月3日までに20%以上下落し、出版事業の製造部門も一時停止、電子書籍の配信遅延やオンラインストアへの影響も生じた。なお、攻撃の数日前の6月3日にはKADOKAWA台湾でも個人情報や企業情報の流出を伴うサイバー攻撃が報告されていた。
事件を受けてKADOKAWAは数十億円規模の特別損失を計上。日本のサイバーセキュリティはIT専門家不足が指摘されており、警察庁によると2025年のランサムウェア被害報告件数は226件に上る。本件は日本企業におけるセキュリティ投資の重要性を改めて浮き彫りにした。