東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定をめぐる汚職事件で、大会組織委員会元理事側への贈賄罪に問われたKADOKAWA前会長の角川歴彦被告に対し、東京地裁は懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。角川被告は無罪を主張し、控訴する意向を示した。
事件は2022年、組織委理事だった高橋治之被告がスポンサー企業などから謝礼を受け取ったとして受託収賄容疑で逮捕されたことから広がった。組織委理事はみなし公務員とされ、職務に関する金銭の授受が禁じられていた。高橋被告側へは複数の企業から資金が渡ったとされ、出版、広告、衣料など幅広い業界の幹部が摘発された。
判決は、KADOKAWAの元専務らと共謀し、スポンサー選定などで便宜を図ってもらう見返りに約6900万円を提供したことを認定した。検察側は実質的な経営トップとして関与したと指摘し、弁護側は決裁権がなかったなどと反論していた。
世界最大級のスポーツイベントの裏で進んだ金銭の授受は、五輪の商業化と組織運営の不透明さへの批判を招いた。高橋被告本人の公判も続いており、東京大会の負の遺産として、汚職事件の審理の行方が注目されている。
五輪汚職をめぐっては、談合事件も含めて多くの裁判が続いてきた。スポーツイベントの巨大な利権を少数の関係者が不透明に扱う構造への批判は強く、今後の大規模イベント運営では透明性の確保が不可欠だという認識が広がっている。