プロ野球・広島東洋カープは10月1日、小園海斗、矢野雅哉、田村俊介、前川誠太の4選手に対し、来季の契約を結ばない旨の戦力外通告を行った。一連の違法薬物関連報道を受け、球団として厳しい処分を下した形となる。

発端は2026年1月だ。広島東洋カープの選手・羽月隆太郎(25)が「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物の「エトミデート」を使用した疑いで逮捕された。羽月選手の尿からは成分が検出され、関係先からはエトミデートとみられる薬物と吸引するための道具が押収された。警察は羽月選手が電子タバコのようなもので吸引して摂取したとみて、入手経路などを調べた。羽月選手は当初「使った覚えはありません」と容疑を否認していたが、その後使用を認める供述に転じ、2月17日に起訴された。羽月選手は2018年にドラフト7位でカープに入団し、前年は1軍で74試合に出場していた。

その後も薬物関連の不祥事は続いた。一部週刊誌で違法薬物「エトミデート」の売人との関係が報じられた矢野選手と前川選手については、医薬品医療機器法違反の容疑で9月に書類送検されていた。球団内では今年1月の羽月選手の逮捕に続き、薬物関連の不祥事が相次ぐ異常事態となっていた。

球団の対応をめぐっては、ファンから厳しい声も上がっている。10月8日付で一ファンが球団に送付した抗議文では、第三者委員会の設置や再発防止の取り組みが報じられていないこと、責任ある立場の役職者による記者会見が一切開かれていないことへの疑問が呈された。公の場での謝罪は、本拠地最終戦後のセレモニーで新井貴浩監督が行ったものだけだったという。

プロ野球選手は球団と業務委託契約を結ぶ個人事業主であり、今回の処分は球団の信頼回復に向けた措置と解釈されている。今後、戦力外となった選手らが他球団へ移籍できるかどうかが注目される。球団史に残る未曾有の不祥事に、カープファンは複雑な思いを抱えている。