指定薬物エトミデート(通称ゾンビたばこ)を使用したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた元広島東洋カープの羽月隆太郎氏に、広島地裁は拘禁刑1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。球団は2月に契約を解除。羽月氏はSNS配信で「自分を含め6人が同じ人物から購入していた」と明かし、カープの他選手にも捜査の手が及んだ。

羽月氏は2026年1月27日にエトミデートを使用したとして医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕された。検察側は、羽月氏が不眠に悩み、2025年春ごろに知人から「シーシャ(水たばこ)」として紹介されて使い始め、これまでに100万円分近く購入していたと指摘。広島東洋カープは2月25日に契約解除を発表した。5月15日の広島地裁初公判では起訴内容を認めて即日結審し、地裁は拘禁刑1年、執行猶予3年(求刑拘禁刑1年)の判決を言い渡した。判決理由では「よく眠れるからという理由で安易に使用し、違法性を知ってからも1日に複数回使用するなど、指定薬物に対する親和性が見られる」と指摘した一方、反省の態度が見られるとして執行猶予を付けた。

被告人質問で羽月氏は「周囲にも吸っているカープの選手がいた」と証言。これを受けて球団は再調査の方針を示した。5月28日のSNS生配信では「同じ人から私を含めてカープ選手6人が購入していた」と明かし、逮捕後にしばらく黙秘したのは「他の選手の時間稼ぎ」だったと説明した。捜査段階では、キャンプイン前に複数の選手の尿検査が行われるなど、他選手への捜査も進められた。

羽月氏にエトミデートを譲り渡したとして起訴された東京都千代田区の自営業の男(38)の裁判では、9月16日に広島地裁が拘禁刑2年、執行猶予4年の判決を言い渡した。男は羽月氏に3〜4回直接エトミデートを渡したほか、大野寮にレターパックで送付する際は内容品欄に「野球カードボックス」と書いていたことも明らかになった。羽月氏の「6人」という発言と男の「他の人には渡していない」という主張には食い違いがあり、警察は事件の全容解明に向けて捜査を続けている。