プロ野球・広島東洋カープの鈴木清明球団本部長は2026年9月27日、矢野雅哉選手(27)と前川誠太選手(23)が広島県警に書類送検されていたことを明らかにした。代理人弁護士によると、書類送検は9月25日付。捜査関係者によると、矢野選手は指定薬物を譲り受けた疑い、前川選手は所持した疑いが持たれている。矢野選手の代理人弁護士は「違法薬物の譲り受けや使用の事実はない」と主張し、両選手とも容疑を否認しているという。
問題となっているのは、通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物エトミデートをめぐる一連の事件だ。今年1月には羽月隆太郎元選手(26)が医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕され、2月24日に契約解除処分に。5月15日の公判では拘禁刑1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡された。7月13日には一部週刊誌が、矢野選手が薬物の譲渡に関与したとされる人物と密室にいた写真を掲載。これを受けて矢野選手は出場選手登録を抹消され、7月30日には県警が矢野、前川両選手の自宅を家宅捜索したことが球団から発表され、前川選手の登録も抹消されていた。
球団は「捜査に全面的に協力する」としているが、主力級の若手2人が同時に書類送検される異例の事態に、チーム内外の動揺は大きい。10月1日には小園海斗、矢野、前川、田村俊介の4選手への戦力外通告も発表され、ファンの間に衝撃が広がった。容疑を否認する両選手の今後の処遇や、検察の起訴・不起訴の判断が注目される。プロ野球界全体のコンプライアンス体制にも厳しい目が向けられている。
新井貴浩監督は4選手の戦力外通告について「彼らのことを考えるとすごく苦しくなる。まだ若いので、温かい目で今後を見守ってほしい」と沈痛な面持ちで語った。小園は「信頼できないと言われた。仕方ないかなと思う」と淡々と受け止め、身の潔白を主張した上で「できることなら野球をやりたい」と現役続行の意向を示した。矢野も「軽率な行動で多大な心配と迷惑をかけた」と謝罪した。昨季の首位打者が戦力外となる異例の事態に、球界全体に衝撃が走っている。