2018年の「悪質タックル問題」に続き、2023年には違法薬物事件で揺れた日本大学アメリカンフットボール部(愛称フェニックス)。同年11月28日、日大は競技スポーツ運営委員会で部の存続を認めず、廃部を決定した。甲子園ボウルで関東最多21回の優勝を誇る名門が、創部1940年以来の歴史に幕を閉じることになった。

事件の発端は2023年8月5日。警視庁がアメフト部の寮を家宅捜索し、乾燥大麻と覚醒剤成分を含む錠剤を所持していたとして3年生部員を逮捕した。大学は同月10日にいったん無期限活動停止処分を解除したが、8月22日に再び寮を捜索。関東学生連盟は8月10日、「部関係者全員が違法薬物に潔白であると保証できない」として当面の間の出場資格停止を科し、大学も同月末で寮を閉鎖した。10月には同部屋の4年生部員が2人目の逮捕者となり、11月27日には新たに3年生部員が3人目の逮捕者となった。

8月8日の会見で競技スポーツ担当の沢田康広副学長は、逮捕者が複数になれば廃部も考えなければならないとの認識を示しており、約3カ月後に現実となった。12月4日には林真理子理事長が会見し、大学の対応を説明。酒井健夫学長と沢田副学長の辞任が避けられない情勢となった一方、沢田副学長は事件後に合理的な理由なく辞任を強要されたとして林理事長に1000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、経営陣の内紛も表面化した。

なお、日大アメフト部は2018年5月の定期戦で、パスを投げた後の関西学院大QBに背後から激しくタックルし、腰などに3週間のけがをさせた「悪質タックル問題」でも社会問題化。当時の内田監督とコーチの指示が第三者委員会に認定され、2人は懲戒解雇された。薬物事件をめぐっては「連帯責任」の是非も議論を呼び、大学スポーツのガバナンスの在り方を問い直す契機となった。