2018年5月、日本大学と関西学院大学のアメリカンフットボールの定期戦で、日大の選手がプレーの終わった関学大のクォーターバックに背後から激しいタックルを行い、全治のけがを負わせた。映像が拡散され、指示の有無をめぐって大学全体を巻き込む大問題に発展した。
タックルを行った選手は記者会見を開き、監督やコーチから相手をつぶすよう指示されたと証言した。一方、当時の監督らは指示を否定し、双方の主張は大きく食い違った。選手が自ら顔と名前を出して謝罪と証言を行った姿は、社会に強い印象を残した。
日大の対応の遅れや危機管理の不備にも批判が集中し、学長や理事長の責任問題に発展した。アメフト部は活動を停止し、連盟からも処分を受けた。後に第三者委員会が指示の存在などを認定し、大学スポーツの指導体制やガバナンスが全国的に見直されるきっかけとなった。
被害選手は競技に復帰したが、事件は大学スポーツにおけるパワーハラスメントや、指導者の言葉が選手に与える圧力の重さを浮き彫りにした。若い選手を守る仕組みづくりという課題は、今も大学スポーツ界に残されている。
悪質タックルの映像はテレビやSNSで何度も再生され、大学スポーツの在り方への国民的な関心を高めた。事件後に現役選手が声を上げる環境づくりや、指導者のライセンス制度の議論が進んだ点は、この騒動が残した数少ない前向きな変化だと言える。