JR貨物(本社・東京都)の発注工事をめぐり、下請けの選定で業者側に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、福岡地方検察庁は2026年10月14日、同社九州支社の社員・財前信一被告(62)をJR会社法違反(収賄)の罪で起訴した。賄賂を贈ったとして逮捕されていた福岡市の警備会社「イーグル警備保障」の取締役・河野敏昭被告(66)も同法違反(贈賄)の罪で起訴された。同社の男性社長(66)は処分保留で釈放された。
起訴状によると、財前被告は2024年5月~2025年9月ごろ、JR貨物発注の電気関係工事でイーグル社が下請けに入れるよう元請け会社に働きかけたことなどへの見返りに、河野被告から現金計90万円の賄賂を受け取ったとされる。捜査関係者によると、JR貨物OBでもある河野被告が2015年に「自分を取締役にすればJR貨物の工事を受注できる」と持ちかけて取締役に就任し、同社は2018年ごろからJR貨物発注の工事などを受注。河野被告が財前被告に現金計数百万円を提供していたとみられるという。
JR貨物をめぐっては2015年にも、物流施設工事での便宜の見返りに43万円相当の接待を受けたとして社員が逮捕され、有罪判決が言い渡された経緯がある。同社はその後コンプライアンス強化を図ってきたが、再び汚職事件が発覚した形だ。
JR貨物は完全民営化されておらず、国が経営を監督する特殊な立場にある。公的資金の支援も受ける企業の汚職に、批判の声が上がっている。