三菱自動車工業による燃費データの不正問題は、2016年4月に発覚した。軽自動車の「eKワゴン」「eKスペース」と、日産向けに生産していた「デイズ」「デイズルークス」の4車種、計62万5000台について、実際より5〜10%燃費を良く見せる不正が行われていた。

手口は、燃費試験の基礎となる走行抵抗の測定で、複数のデータの平均値を国に届け出るべきところ、意図的に最も有利なデータだけを提出するというものだった。さらに社内調査では、1991年頃から25年にわたり、国内法で定められた方法とは異なる試験方法が使われていたことも判明した。

発覚のきっかけは、提携先の日産が次期車開発のために燃費を独自測定したことだった。相川哲郎社長は同年6月に引責辞任し、日産が2370億円で34%の株式を取得して筆頭株主となった。リコール隠しから立ち直りかけた矢先の不正は、企業のコンプライアンス不全の深刻さを改めて浮き彫りにした。