「週刊文春」2016年1月6日発売号は、タレントのベッキーと人気バンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル川谷絵音の不倫を報じた。当時川谷は既婚者だった。2人の親密なLINEのやり取りが流出し、その文面が連日ワイドショーを賑わせた。「センテンススプリング」という言葉は流行語にもなり、社会現象化した。

ベッキーは1月6日の緊急会見で「友人関係」と説明したが、その後流出したLINEで交際の継続が明らかになり、「卒論を出す」といった隠語めいたやり取りも物議を醸した。好感度タレントの代表格だったベッキーはCM10本を降板し、1月末から芸能活動を休業。川谷もバンド活動の自粛を余儀なくされ、5月に離婚した。

ベッキーは同年5月13日放送の「金曜日のスマイルたちへ」で復帰し、涙ながらに謝罪。その後は徐々に活動を取り戻し、2019年には元プロ野球選手の片岡治大との結婚を発表した。一方で、プライベートのLINEが流出して報じられる手法や、女性側に厳しいバッシングが集中する構図への批判も起こり、不倫報道の在り方をめぐる議論の転機ともなった。川谷のバンドはその後「ゲスの極み乙女」から「ゲスの極み乙女。」へと表記を戻すなど、活動を継続している。

ベッキーは復帰後、バラエティ番組を中心に活動を再開し、2019年2月には元プロ野球選手の片岡治大との結婚を発表。2児の母となり、タレント活動を続けている。川谷絵音はバンド活動を継続し、ソロプロジェクトでも活動中だ。不倫報道から10年を経て、2人ともそれぞれの道を歩んでいる。当時の過熱報道を振り返り、メディアの私刑的な報じ方への反省の声も上がっている。

ベッキーの不倫報道では、LINEの流出経路をめぐってもさまざまな憶測が飛んだ。川谷の元妻への配慮を欠いた報道姿勢への批判もあり、週刊誌報道の倫理が問われた。

不倫報道をきっかけに、芸能人のプライバシーと報道の自由の境界をめぐる議論は今も続いている。SNS時代のスキャンダル報道の在り方が問われている。