日本の大手芸能事務所・ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)の創設者ジャニー喜多川による、少年を対象とした性加害問題は2023年に表面化し、日本の芸能界を根底から揺るがした。BBCの報道を契機に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏らが告発に踏み切り、喜多川が1950年代から2010年代半ばまでの長期間にわたり、ジャニーズJr.らに対して性加害を繰り返していた実態が明らかになった。
事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」による調査報告書は、取締役の監視・監督義務の懈怠を指摘。これを受け同事務所は2023年9月7日に記者会見を開き、藤島ジュリー景子社長は「事務所としても、個人としても、性加害はあったと認識している。被害者の皆さんに心からおわび申し上げる」と発言し、引責辞任した。
その後、事務所は社名を「SMILE-UP.」に変更し、被害者への補償に取り組んでいる。2025年2月末現在、1018人の申告を受け、被害者救済委員会のヒアリング等の手続きを経て540人に補償金の支払いを行った。一方で、国連のビジネスと人権の作業部会もこの問題に注目し、補償が被害者ニーズを満たすには遠いと批判する事態となった。
問題の影響は芸能界全体に広がった。スポンサー企業がジャニーズ事務所所属タレントの起用を見直し、テレビ各局も対応に追われた。2023年10月には新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が設立され、タレントのマネジメント業務を継承。旧ジャニーズ事務所は補償業務に専念する体制へと移行した。
2024年12月には、時効が適用されないラスベガスでの性加害について、元ジャニーズJr.の男性2人がSMILE-UP.や元幹部らを相手取り米ネバダ州の裁判所に提訴するなど、問題は国際的な広がりも見せている。日本の芸能界の構造的な問題を浮き彫りにしたこの事件は、その補償と再発防止の取り組みが今も問われ続けている。
STARTO ENTERTAINMENTへの事業承継後も、旧事務所による被害者救済の行方に注目が集まっている。2024年12月には米ネバダ州での提訴もあり、問題は国際的な広がりを見せている。