2023年1月、岐阜市内の回転ずしチェーン「スシロー」の店舗で、客の少年がしょうゆ差しの注ぎ口をなめるなどし、その様子を撮影した動画がSNSに投稿・拡散された。いわゆる「寿司テロ」「寿司ペロ」事件として国内外で大きな話題となり、親会社FOOD & LIFE COMPANIESの株価が下落。時価総額は1日で160億円以上減少したと報じられた。

スシローは該当店舗の全ての湯呑み・醤油ボトルを洗浄したほか、2月3日からは当面の間、注文された商品のみをレーンに流す運用を全店舗で開始。テーブル席とレーンの間にアクリル板を設置するなどの対策も講じた。運営会社のあきんどスシローは同年3月、少年側に対して約6700万円の損害賠償を求める訴えを起こした。訴状では「迷惑行為によって全国の店舗の信用を傷つけ客が大幅に減少した」「親会社の株価が下落したことで時価総額が1日で160億円以上減った」と主張。少年側は行為を認めて反省を示しつつ、「客の減少は同業他店との競合も考えられる」として訴えの退却を求めた。その後、スシローは訴えを取り下げ、調停が成立した。

事件はフランス・AFP通信やイギリス・BBC、アメリカ・CNNなど多数の海外メディアでも批判的に報じられ、農林水産大臣の野村哲郎も「このような行為が行われたことは非常に残念」とコメントした。一方で、スシローのファンや著名人を中心に「#スシローを救いたい」という応援ツイートが相次ぎ、SNSのトレンド入りした。同年にはくら寿司でもしょうゆ差しを口にくわえる動画を投稿した21歳の男ら3人が逮捕され、男は威力業務妨害の罪で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。SNS時代の飲食店への迷惑行為と企業の対応の在り方を問う事件となった。