2026年10月5日、物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」公式アプリの会員管理システムから1,078万8,963件の会員情報が漏洩したと発表した。10月2日に不正アクセスを確認し、翌3日に漏洩が判明した。対象は会員番号、登録名、メールアドレス、電話番号で、同社によるとパスワードや生年月日、店舗利用履歴は漏洩していない。決済情報は保有していなかった。詳細な侵入経路は調査中だ。

この発表は、10月上旬に相次いだ日本企業のサイバーセキュリティ侵害公表のひとつだ。ローソンは10月8日、「ローソンID」の215万5,345件と「ローソンアプリ予約」の26件の情報漏洩を公表。不正アクセスがあったのは9月12日から14日と同17日で、10月7日の調査で判明した。スカラコミュニケーションズは10月6日、FAQシステム「i-ask」の管理サイトへの不正ログインを起点に、同一サーバーを利用する最大5社の問い合わせ情報、延べ最大71万3,126件が漏洩した可能性があると発表。利用企業のシチズン時計も約10万人分の情報が対象となる可能性を公表した。

さらにソフトバンク傘下のIDCフロンティアは10月7日、「IDCFクラウド」でランサムウェア攻撃による障害が発生したと公表。東日本リージョン1の一部を利用する495の企業・自治体が影響を受け、顧客データの取り出しや復元が困難な見通しだとしている。

警察庁の統計では、2026年上半期のランサムウェア被害報告は123件で、半期としては統計開始以来の最多だった。問題は情報システム部門の対応にとどまらず、顧客のプライバシー保護、事業継続、サプライチェーン管理を担う経営の課題に広がっている。委託先に預けた情報から被害が生じる構造も明らかになり、企業のガバナンスが問われている。