中部電力は2026年8月27日、記者会見を開き、同社が運営する浜岡原子力発電所の1・2号機における2024年度の廃炉作業で、一部の解体工事に関する報告書に改ざん行為があったと認めた。報告書に記載された数値が実態と異なっており、同社はこの虚偽のデータに基づいて、廃炉費用を管理する関連機関に費用申請を行っていた。原発をめぐるデータ捏造が半年足らずで再び発覚したことで、同社の信頼は大きく揺らいでいる。

同社は2026年1月にも、浜岡原発3・4号機の再稼働に向けた審査をめぐり、関連データを操作し、想定される地震の最大の破壊力を意図的に低く見積もっていたことを認めたばかりだった。審査の前提となるデータを都合よく書き換えていた事実に、当時から規制当局や地元から厳しい批判が上がっていた。

静岡県御前崎市にある浜岡原発は、中部電力が保有する唯一の原子力発電所だ。南海トラフ巨大地震の想定震源域に位置することから、2011年3月11日の東日本大震災の発生後、当時の政府の要請を受けてすべての原子炉が運転を停止。1号機と2号機は廃炉が決定している。

今回の改ざんは、廃炉という「終わりに向かう作業」においてすら正確な記録が残されていなかったことを意味し、原子力事業者としての基本的な資質を問う声が上がっている。中部電力は再発防止策の策定を約束したが、3・4号機の再稼働審査への影響は避けられず、地元自治体や住民の反発がさらに強まるのは必至とみられる。

浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域のほぼ真上に立地しており、再稼働には原子力規制委員会の審査に加えて地元自治体の同意が不可欠とされる。3・4号機の再稼働を目指す中部電力にとって、審査の前提となるデータの信頼性が相次いで損なわれたことは致命的だ。原発の安全性は「記録の正確さ」に支えられているだけに、廃炉作業の報告書にまで改ざんが及んでいた事実は、同社の原子力事業全体のガバナンスを問う声を一層強めている。地元では再稼働への慎重論が根強く、今回の不祥事が審査や地元合意の行方に与える影響は計り知れない。