2024年5月、暗号資産取引所DMMビットコインから4502.9BTC(約482億円相当)が不正流出した。グループ支援で顧客資産は全額保証されたものの、事業継続を断念し同年12月に廃業を発表。顧客資産はSBI VCトレードに移管された。分析会社は北朝鮮のハッカー集団の関与の可能性を指摘している。
2024年5月31日13時26分頃、DMMビットコインは自社のウォレットからビットコインが不正に流出したことを検知した。流出額は4502.9BTCで、当時のレートで約482億円相当にのぼった。同社は2016年設立の金融庁登録の正規交換業者で、45万の顧客口座、顧客預かり資産962億円を抱える国内大手の一つだった。事件後、直ちに暗号資産の出庫処理や現物取引の買い注文受付を停止する緊急措置を講じた。
DMMグループの支援により550億円を調達し、顧客資産の全額保証を表明したものの、金融庁からは業務改善命令を受けた。リスク管理体制の不備や監査の欠如、ずさんなセキュリティ運用が指摘された。事業継続は困難と判断し、2024年12月2日に事業廃止を正式発表。同年11月29日にSBI VCトレードへの全顧客口座および預かり資産の移管で合意し、2025年3月を目処に移管を完了した。
ブロックチェーン分析会社のChainalysisは2024年12月のレポートで、北朝鮮のハッカー集団が2024年に47件の攻撃で総額2077億円相当の仮想通貨を略奪し、DMMビットコインの事件も含まれている可能性を示唆した。秘密鍵の管理不備などインフラの脆弱性が攻撃の要因になったと分析している。流出した資金は複数の中間アドレスやブリッジサービスを経て資金洗浄され、一部はカンボジアのHuione Guaranteeに送金されたとされる。2018年のコインチェック事件以来の国内大型流出として、取引所のセキュリティ対策の重要性を改めて突きつけた。
DMMビットコインを運営したDMMグループは、動画配信や電子商取引、エンターテインメントなどを手がける複合企業。2016年に設立されたDMMビットコインは、ビットコインやイーサリアムなど38銘柄を取り扱い、うち34銘柄がレバレッジ取引に対応するなど積極的な展開で顧客を増やしていた。
金融庁は事件を受けて業務改善命令を出し、リスク管理体制の不備や監査の欠如を厳しく指摘した。2024年12月2日の事業廃止発表後、顧客の口座と預かり資産は2025年3月を目処にSBI VCトレードへ移管された。Chainalysisの分析では、秘密鍵の管理不備を突かれた可能性が高く、流出資金は複数のアドレスを経由して資金洗浄された後、カンボジアのHuione Guaranteeに送金されたとされる。被害額は2018年のコインチェック事件に次ぐ国内2番目の規模となった。
顧客の口座と預かり資産は2025年3月を目処にSBI VCトレードへ移管され、移行は完了した。DMMグループは550億円の支援で顧客資産を全額保証し、顧客に直接の金銭的被害は生じさせなかったものの、国内大手取引所の一つが消滅した衝撃は大きかった。
事件を受けて、金融庁は暗号資産交換業者へのセキュリティ監査を強化。コールドウォレットの管理体制や秘密鍵の分散管理など、業界全体のセキュリティ基準の見直しが進んだ。北朝鮮のハッカー集団による仮想通貨狙いの攻撃は2024年に急増しており、日本の取引所も標的になり続けているとの指摘がある。
DMMビットコインの顧客だった約45万口座の資産は、SBI VCトレードへの移管によって保全された。移管後も取引を継続できる体制が取られ、顧客の混乱は最小限に抑えられたとされる。DMMグループは550億円の支援を実施し、顧客資産の全額保証という責任を果たした。
一方、北朝鮮のハッカー集団による仮想通貨狙いの攻撃は2024年に急増し、世界全体の被害額は過去最大規模に達したとされる。日本の取引所も引き続き標的となっており、金融庁は交換業者へのモニタリングを強化している。DMMビットコインの廃業は、セキュリティ投資の重要性を業界に突きつけた出来事だった。