2023年9月、宝塚歌劇団宙組所属の25歳の劇団員が自宅マンションから転落死した問題で、遺族側は上級生によるパワハラやいじめがあったと主張した。歌劇団側の外部調査報告書は当初ハラスメントの事実を確認できなかったとしたが、遺族側の再調査要求を受け、2024年に歌劇団側は一部をパワハラと認めた。理事長が辞任するなど組織の体質改革が迫られた。

遺族側の代理人を務める川人博弁護士は11月の会見で、上級生がヘアアイロンを劇団員の額に当ててやけどを負わせたことや、「下級生の失敗はすべてあなたのせい」「マインドが足りない」「嘘つき野郎」といった暴言があったと主張。さらに、亡くなる直前の1か月間の労働時間は400時間以上、睡眠時間は3時間程度という過重労働があったと訴えた。

歌劇団側は外部の弁護士による調査チームを設置し、宙組の劇団員や理事長ら70名以上にヒアリングを実施。11月の会見では「いじめやハラスメントは確認できなかった」とした一方で、稽古終盤の過密なスケジュールなどから強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとした。木場健之理事長は12月1日付での辞任を表明した。

遺族側は調査報告書に納得せず、事実関係の再検証を要求。2024年2月27日、歌劇団側は遺族側との合意書を公表し、一部をパワハラと認めて謝罪した。110年近い歴史を持つ宝塚歌劇団の体質が問われた事件として、社会に大きな衝撃を与え、公演スケジュールの見直しなど組織改革が進められた。

歌劇団側の初会見は2023年11月14日に開かれ、木場健之理事長と井塲睦之理事が出席した。調査チームは宙組の劇団員や理事長ら70名以上にヒアリングを行ったが、4名がヒアリングを辞退したことも明らかにされた。遺族側は調査報告書について「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している」と批判し、事実関係の再検証を要求。2024年2月27日、歌劇団側は遺族側との合意書を公表し、一部をパワハラと認めて謝罪した。理事長の辞任に加え、公演スケジュールの見直しなど、組織の体質改革が進められた。