サントリーホールディングスの新浪剛史会長は2025年9月、米国から違法成分入りの疑いがあるサプリメントを輸入したとして警察の捜査を受け、取締役会から辞任を求められて退任した。経済界の顔として知られた経営者の失脚は、大きな衝撃を与えた。
新浪剛史氏はローソンの社長を経て、2014年にサントリーホールディングスの社長に就任した。コンビニ業界での手腕を買われての抜擢で、サントリーのグローバル展開を推進。2023年4月からは経済同友会の代表幹事も務め、政府の審議会などでも存在感を示す経済界を代表する経営者の一人だった。2021年の「45歳定年制」発言など、論客としても知られていた。
2025年9月、違法成分が含まれている疑いのあるサプリメントを米国から輸入したとして警察の捜査対象となり、サントリーホールディングスの取締役会から辞任を求められる形で会長を退任。経済同友会の代表幹事も辞任に追い込まれた。
その後、2026年4月に書類送検されたが、同年5月に福岡地検は不起訴とした。刑事責任は問われないことになったものの、トップとしての説明責任や企業イメージへの打撃は残った。
不起訴となったことで刑事手続きは終結したが、経済界の第一線への復帰にはハードルが高いとみられている。サントリーホールディングスは新体制での経営を進めており、トップの交代による戦略の変化にも注目が集まっている。経済同友会も新浪剛史氏の辞任後に新体制へ移行しており、一連の経緯は経営者のコンプライアンス意識の重要性を改めて示した。
経済界の重鎮の突然の退場は、企業のコンプライアンスやトップの資質をめぐる議論を呼び起こした。不起訴となった今も、新浪剛史氏の経営者としての復帰の可能性や、サントリーホールディングスの今後の経営体制に注目が集まっている。
財界の論客として知られた新浪剛史氏の去就は、経済界の今後を占う上でも注目点だ。