タレントの「デヴィ夫人」として知られるデヴィ・スカルノ被告(86)の判決公判が2026年10月6日、東京地裁で開かれ、石田寿一裁判官は検察の求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。判決によると、被告は2025年2月13日夜、東京都渋谷区の飲食店でアシスタントを務めていた女性におしぼりやシャンパングラスなどを投げつけたほか、同年10月28日深夜には同区内の動物病院で、マネジャーだった別の女性を殴ったり蹴ったりしたとされる。
石田裁判官は判決理由で、相手の言葉に立腹してシャンパングラスを投げつけるなどの危険な行為に及んだとして「短絡的でくむべき点はない」と指弾。被害者らの供述は「明確で信用できる」とする一方、被告の「シャンパングラスは投げていないし、殴る蹴るはしていない」との供述は「曖昧で信用できない」と退けた。被告はブログなどで暴行を完全否定していたが、弁護側は裁判で「積極的に否認する趣旨ではない」として事実関係をおおむね認める姿勢を示していた。公判で被告は「私は戦争、クーデター、暴動などを経験してきた。今日この場にいるのが不思議でならない」と述べ、検察側は「十分な内省が見られない」と指摘していた。
弁護側によると、事件後の相次ぐ出演キャンセルで約9000万円の違約金・損害を負ったという。21席の一般傍聴席に対し107枚の整理券が交付されるなど、法廷は高い注目を集めた。薄い水色のワンピース姿で出廷した被告は、判決言い渡し後に弁護士に詰め寄る場面もあったと報じられた。インドネシアのスカルノ元大統領の第3夫人として知られ、「東洋の真珠」と呼ばれた社交界の華からバラエティタレントへと転身してきた86歳の大物タレントの有罪判決に、芸能界にも衝撃が走っている。
デヴィ夫人は1992年にも米国で傷害事件を起こし、収監された過去があることを自ら明かしている。今回の有罪判決により前科がついたことで、今後の芸能活動への影響は避けられないとの見方が強い。一方で、86歳という年齢ながら精力的に活動してきたタレントの転落に、惜しむ声も上がっている。判決後、被告側が控訴するかどうかも注目されている。