NHKは9月16日、東京・渋谷の同局で定例会長会見を行い、9日に相手の同意なく性的な身体接触を行った20代の男性記者を懲戒免職にした件について説明した。井上樹彦会長は冒頭で「人権・人格の尊重を組織運営の基本に据えて取り組みを進めていくなかで、職員によるこのような事案が発生したことを極めて重く受け止めています」とコメントした。

井上会長は「視聴者や関係する皆様の信頼を損なうこととなったことについて深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で、人権侵害やハラスメントなどの不適切行為は許されないとして「今後も厳正に対処していきます。職員一人一人が人権問題を自分ごとと捉え、人権を尊重する組織風土への変革に取り組み、再発防止に努めます」と述べた。

同局は8月5日にも、職員が番組出演者から懇親会の後で性被害に遭う事案があったことを明かしていた。当該職員はPTSD(心的外傷後ストレス障害)になっているという。井上会長はこれら二つの事案について「個別の問題としてではなく、人権・人格の尊重を組織文化として十分に根付かせることができていたのか。組織全体の教訓として捉え、役職員一人一人が人権を自らの課題として捉えられるように取り組みを徹底してまいります」と繰り返した。

飲酒に関わるリスクも軽視できないとして「何らかの対策を講じる必要があると考え、関係の局に検討を指示した」とも述べた。相次ぐ性被害事案に、公共放送としての組織風土への批判が高まっている。

NHKは受信料で運営される公共放送であり、職員の不祥事は視聴者の信頼に直結する。会長自らが謝罪に追い込まれた今回の事案を受け、局内ではハラスメント防止研修の強化や、飲酒を伴う懇親会のルール見直しなどが検討されている。

相次ぐ性被害事案を受け、NHKではハラスメント防止研修の強化や、飲酒を伴う懇親会のルール見直しが検討されているとみられる。公共放送としての組織風土の改革がどこまで実効性を持つか、視聴者の目は厳しい。