2026年10月、日本企業を標的とした不正アクセスによる個人情報の流出が相次いで発覚し、社会に大きな衝撃を与えている。10月9日にはJR東日本の子会社でクレジットカードを手がけるビューカードが、最大約403万件の会員のメールアドレスが漏えいした可能性があると発表。同日、旅行サイト「スカイチケット」を運営するアドベンチャーは利用客の個人情報約1464万件の流出を、中古書籍大手のブックオフは最大643万件の会員情報の漏えいの可能性をそれぞれ公表した。

さらに大手コンビニのローソンでは、会員向けサービス「ローソンID」などの利用者情報約215万件の流出が確認され、カラオケ店「ビッグエコー」などを展開する第一興商でも872万件を超える顧客情報などが漏えいした可能性があると発表した。JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」や「大人の休日倶楽部」の会員情報約206万件の流出の可能性も明らかになっており、報道各社のまとめでは、わずか2週間ほどで分かっているだけでも最大6800万件あまりの情報が流出した恐れがある。

被害の背景には、生成AIの進化によるサイバー攻撃の大規模化があると指摘されている。サイバーセキュリティー会社S&Jの三輪信雄社長は、AIに攻撃をさせながら人間が判断して次の指示を出す手法が現実的になり、生成AIが言語の壁を越えたことで攻撃が大規模化していると分析。元警察庁サイバー捜査課長の棚瀬誠氏は、日本企業にはサイバー攻撃を受けた後の備えが遅れていると指摘し、侵入された後に攻撃者へ悪さをさせない仕組みの必要性を訴えた。

街頭では「登録しすぎてて、自分の知らないところで悪用されてるかもしれない」「サイトに登録するのは怖い」といった不安の声が広がっている。こうした事態を受け、政府は個人情報を取り扱う事業者などに対し対策の強化を促すとともに、人材や予算が十分に確保できない中小企業についても、システムの監視や緊急対応の支援に取り組む方針を示した。