女優の沢尻エリカが2019年11月16日、自宅で合成麻薬MDMAを所持していたとして、麻薬取締法違反の疑いで警視庁組織犯罪対策第5課に逮捕された。自宅からはMDMAのカプセル2錠が押収され、尿検査でも陽性反応が出た。2007年の「別に」発言騒動を乗り越えて女優として復活を果たしていた最中の逮捕に、芸能界は騒然となった。

沢尻は12月6日に保釈され、所属事務所を退所。2020年1月31日の初公判では起訴内容を認め、10年以上前から薬物を使用していたことを告白した。「女優への復帰は考えていない」とも発言した。2月6日、東京地裁は懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

逮捕の影響は大きく、出演予定だった大河ドラマ『麒麟がくる』の濃姫役は川口春奈に交代。CMや映画の公開にも影響が出た。沢尻は2024年2月、舞台『欲望という名の電車』で女優復帰を果たし、再起への道を歩み始めた。薬物事件からの復帰の在り方をめぐっては、今も賛否の声が交わされている。

沢尻の復帰舞台『欲望という名の電車』は2024年2月に上演され、満員の観客を集めた。ブランクを感じさせない演技に高い評価が集まる一方、薬物事件からの復帰の早さを疑問視する声もあった。沢尻は公判で「二度と薬物には手を出さない」と誓っており、現在は舞台や映像作品への出演を続けている。薬物依存からの回復と社会復帰のモデルケースとして注目されている。

沢尻の逮捕当時、出演していたCMや映画の損害は数十億円規模とも報じられた。所属事務所の退所に伴い、違約金の問題も取り沙汰された。復帰後は舞台を中心に活動し、映像作品への出演も再開している。

沢尻の薬物事件は、芸能界の薬物汚染の深刻さを改めて浮き彫りにした。所属事務所や業界団体は、薬物検査の導入や啓発活動の強化に乗り出している。再犯防止に向けた支援体制の整備も課題となっている。

薬物からの回復を公言しながら活動を続ける姿は、同じ悩みを抱える人々へのメッセージにもなっている。